昭和町歴史民俗資料館のページもご覧ください

←前のページ　　　　次のページ→

アカトリ（淦取）

　船底に溜まった水や雨水などを掻き出す用具。沖縄では「ユートゥイ」という。この材料は墓場の卒塔婆（そとば）を使う習慣があり、八郎潟周辺ではよく盗まれたものでという。死人が成仏したものを使えば浮かび、助かるという俗信によるものだある。
　船に溜まる水をアカというが、これは仏教用語で水のことをアカというのに通ずると言われる。

刺網

　細長い長方形もしくは帯状の形の網を設置して、漁族その他の水産動物を網目にかからせるか、まつわりつかせて獲る網である。ブリ、タラなど獲る底刺し網とボラ、イワシを獲る浮き刺し網がある。
　八郎潟で使われている刺し網は漁獲対象で異なり、「ワカサギ刺網」「フナ刺網」「セイゴ刺網」「ボラ刺網」「シラウオ刺網」「カレイ刺網」などの刺網がある。

建網

魚群の来游する場所に常に設置してとらえる仕組みの網である。定置網とも呼ばれる。我が国の建網漁業は長門、肥前を中心とする西南系大敷網漁業。富山湾を中心とする台網漁業。牡鹿半島を中心とする東北系大網漁業、北海道を中心とする金折網漁業の４系統がある。
　八郎潟では、フクベ網、フナ網、ワカサギ網、サケ網などがある。

氷下曳き網

　八郎潟に氷下曳き網漁法が伝えられたのは江戸時代寛政年間といわれている。久保田（現秋田市）の商人高桑屋与四郎が信州諏訪湖の氷曳き漁法を伝えたのがその始まりとされ、以後干拓まで行われた冬期間の漁法である。氷下曳き網のほかに氷下刺し網がある。
　菅江真澄の紀行文『氷魚能牟芸美』（ひおのむらぎみ）『凍の下の網曳』（ひのしたのあみひき）を見ての記録が詳しく書かれている。